20211011

ふたつの銀行から百数十円をおろして、近くの富士そばへ向かう。

時間は昼頃、サラリーマンや労働者でごったがえしている。

かけと大盛りの券を持ってお盆にそれらを添えた。

かけが出てきたが、私がもりと勘違いしていたのに気づいた。

失礼ですが冷たいのではないのですか。と店員に尋ねる。

もりといえば大丈夫ですがもりで大丈夫でしょうかと言われる。

もりでお願いしますと私はいうも店員は変な客だなと思ったふりをする。

出てきたもりそばを持って奥の席に座る。

そばをタレにつけて、すする。

初めは小鉢に添えられた刻みネギを全て入れ、少しづつわさびをつけながら食べる。

わさびが切れてから七味をたっぷり加える。

そしたら電話がかかってきた。

法律事務所から以前の書類はまだかと尋ねられる。

カードを1枚きらしており、きらしたカードに何を使っていたのか尋ねられた。

給料とそこから引かれるお金。家賃や光熱費、食費など根掘り葉掘り聞かれる。

その後、出費はその他、服代とかですかね。と聞かれる。

私は服ではなく、どちらかというと本ですかね。というも、向こう側は「本?」と反応する。

そうなんです。本なんです。服代よりも本代の方がかかってしまうんです。それでこのカードをきらしてしまったんです。

そう反応すると尋ねられた方は「ははあ...そうなんですか。」と唖然とした反応を示していた。

それもそのはず、多くの人は服代に費やすところを衣食住の衣が本に置き換わっているから尚更であろうと私は自分で自分に言い聞かせたのであった。

そして、手続き中にきられたカードから勝手に引き落とされているものがありました。あれは解約しましたか。と尋ねられる。

どうやらそれは、vimeoのプレミア会員の会費であったため、私はその人に長い映像をアップロードするのに必要でして、気づかぬうちに引き落とされ続けておりました。と伝える。

「ははあ...そうなんですか。」

同じ唖然とした反応が返ってきた。

それもそのはず、多くの人は見る側にまわる傾向があるからであろうと自分で自分に言い聞かせたのであった。

電話が終わり、タレに付け込まれた七味付きのそばをすする。

ざるにも少し余っていたため、そのそばをタレにつけ、すするも、歯ごたえがない。

この歯ごたえのなさと電話の中にあった「ははあ...」がどこかに通っていた。

食後、タレに蕎麦湯を入れ、飲み干した。

お盆を受付に戻し、店を出たときに私もおもわず「ははあ..。」となってしまった。