いつもギリギリの生活を強いられておりながらも、何故か、なんとかなると思っている。それは、肯定的なものでも悲観的なものでもなく、やってしまったけれども、明日は明日で今日は今日なのではないのかといった気持ちなのかもしれない。
お昼頃にコンビニでプリンを買い、窓辺のカウンター越しにただ通り行く人を眺めていた。
金髪に染めた人がおもむろにスマホをいじっていたり、女性同士が立ち話をしていたりする。そんな人たちを眺めながらも、ただ、また一日が過ぎては、また明日がやってくるのかとなんとなく思いながらプリンを食べている。
左隣の座席では別の言語で会話がなされ、右隣では忙しいせいか、髭を剃れない荒れた硬い毛をポツポツ生やしたおじさんがスマホをみている。
その間に居座りながらただ、プリンを食べている。
皮付きのプリンはどう食べればいいのか分からない。
皮をかさぶたをはがす様にはがす人もいれば、剥がさずにそのまま食べる人もいる。
奥に沈殿したカスタードをどう食べるのかも見所のひとつ。
いきなり突き刺してしまったときに、溢れ出てしまう。
いつも僕は山肌をショベルカーが削り取る様に上から下へと削り取っていく。
その先に沈殿したものに突き当たり、カスタードが出てくる。
そんなゆっくり食べていたら、KANの「愛が勝つ」が流れてきた。
しーんぱーいないからね。きみのおもいが。だれかにとどくあしたがきっとある。
そんな音楽を聴きながらプリンを食べている僕は、愛が勝たなくてもいいだろ。とぶつくさ思っていたりした。
なんやかんやでKANよりチャゲ&飛鳥の「SAY YES」が好きな気がした。
なんどもいうよ。のこさずいうよ。きみがあふれている。
そう。愛なんて、もう、とめどなく溢れ出てくるものなんじゃないかと何処かで思っていたりする。むしろそっちの方が強気になっているKANよりも親しみが持てる気がした。
プリンを食べ終わり、外に出て、仕事をしながら、それにしても「親しみが持てる」と誰もがいうが、親しみの持てる存在なんてこの世に存在するのだろうか。といった事を考えていた。
結局、そんな事を考えあぐねていたせいか、会社から帰宅後、知り合いのインスタライブで知り合いが歌っているのをみて、影響されてか、僕も一人で夜中に「SAY YES」を熱唱していたりした。
インスタライブでは知り合いも熱唱の手伝いをしてくれた。
手伝わせてしまって。ごめん。と思っていた。