20211212

 あれから。高校の友達と蒲田に遊びに出かけた。絲山秋子の原作で描かれた映画「やわらかい生活」を昨日、母親と実家でみたからだ。その映画のロケ地が蒲田となっており、タイヤで作られたワニがいる公園やとても低い観覧車。古くからある飲み屋といった街並みがとても惹かれていた。

 まず、タイヤ公園に行き、その人がなにも食べていないと話していたため、近くのパン屋でパンとコーヒーを買って、タイヤ公園に向かった。子供が100人いるみたいだった。とにかく広い。タイヤの植木鉢やタイヤのブランコが点在していた。子供たちは無我夢中に公園を何周も走っており、友達と「大人になったら目的がないと走れなくなるよな。」という会話をしていた。それは、ジムに行ったり、ジョギングをしてダイエットというきっかけがないと「走る」という行為が起きないという事らしい。確かに走りたくないなと思ってしまった。
 それから、最近、飲み屋で会ったおじさんがパートナーに逃げられて、人形と共に暮らしているという話もされた。人形の写真を見せてくれたらしいけれども、少し怖かったらしい。そんな会話をしながらとても低い観覧車がある東急プラザに向かった。歩く途中ですれ違ったおじさんが大きなくしゃみをして、そのくしゃみに友達が驚き、また、数メートル離れたところでおおきなくしゃみをしては、ママチャリを運転している少年たちが「びっくりしたー」といっているのが気になった。別にぶつかりにくるおじさんでもないのにくしゃみで驚かされるのかなとも思ったりしていた。
 東急プラザについてエレベーターに乗ろうとするも、数十分経っても来なかった。諦めてエスカレーターで上がり、観覧車を乗った後、そこから一階に下がるとき、エレベーターはとても早く来た。直通運転かと初めはおもったけれど、各駅停車だった。
 そこから、映画に登場した居酒屋に行き、その後、バーボン通りに向かった。三軒目で友達がこの前、相席屋で仲良くなったという人が蒲田の地元民らしく、スマホで呼んでいた。化粧をしているからまっていて。という話がスマホに来ていたらしい。そして、実際に会って三人でお酒を何杯か飲んだ。
 友達の調子が良くなったせいか、スマホで呼んだ人と別れた後、知り合いのゲイバーに行った。サミュエルジャクソンに似ているといってくる人と、社会学者の古市さんに似ているという人、それから性転換した人と5人でお酒を飲んだ。サミュエルジャクソンに似ていると自分から言っていた人の話が畳みかける様に言葉が出てきていた。それは、滑り台を滑った後の様になにも覚えていない。それでも、とにかくしゃべり続ける話を聞いていてもその人がとにかく健康的な雰囲気であるためか何も違和感を抱かないのがこの店の空気を作りこんでいた。
 友達はその人から「もしかして、バイなんじゃないの?」と口説かれていた。実際に同姓とも交わっていた話を友達から聞いたりした。
 最後に友達が調子に乗りすぎた結果、キャバクラに連れていかれた。初めて行って、僕は隣の座席でスーツの人たちが舐達磨を歌っているとき、埼玉の人たちが怖いという話をして、川崎の方が居心地がいいという謎の同族意識を抱えていた。