20220101

 午前中の便を取っていた。けれども空港の除雪により飛行機が飛べない。飛びたいのに陸地に雪が積もっているためか飛べない飛行機がいて。帰りたいのに帰れない人たちが空港に溢れている。

 

 朝、午前のためか早めに起きて、身支度をした。昨晩まで溜まっていた通信制限が解除され。ぽんぽんと「明けましておめでとうございます。」の返信が来ている。それに合わせてぽんぽんと返していく。母親が「できたわよ。」といってきて。ゆら帝の2005年世界旅行を聞いていたのにと思っていた。一緒に食べないとこの家の年は明けたことにならないらしい。

 お神酒を飲んで。母親の手料理を食べる。ついつい頼んだおせちは、甘いものばかり食べてしまう。昨日は気づけば和菓子や洋菓子、蕎麦にローストビーフ、揚げ物と共にビール缶を5缶くらい消費していた。温泉の後の景気づけだったのかもしれない。なので、気をつけたい。

 おじさんが雪降ってるから車で送ってやるといっていた。車に乗り、おじさんの息子が運転してくれる。助手席に乗って道をみれば滑りやすく凍っている。凍てついた道に昨晩みた紅白の紙吹雪が舞っている。

 頭の中で「ありゃー。」と思った。恵庭駅に着き。そこから数十分後に到着する電車を待つ。ホームは寒いからホーム手前。改札手前の待合場所にいる。椅子が置いてあり、近くにストーブがある。ストーブの中の火がこうこうと燃えている。

 何もすることがない。ただ、何もしないという時間をあまり過ごしていなかった。そう思っている。何かがないと気が済まないためかYouTubeの渋谷駅のスクランブル交差点定点観測をみたりしている。大晦日のライブ映像では、人が横断歩道の手前でわんさかおり。警察が防波堤のように堰き止めている。たまたまみたアベマの特番では、アナウンサーが「これ。カウントダウン終わったと同時に警察はけて。人が。わー。っと流れて出てくるんですかね?」と困惑した表情で解説している。よくできた実況中継のような気にさせる振りだった。

 待って。ホームを間違える。札幌の方角に進む列車に乗ってしまう。なんだか人が少ない気がしていた。向かいの席に娘ふたりと母親が座っていた。これは、元旦のバーゲンセールを撮りにいくための目つきだった。家族にみえるが家族にみえたい。乗車するときに母親らしき年長者が「はい。間隔を空けて座りましょう。」と号令のように唱え、数十センチの感覚を空けて座ったからだと思う。僕はこれが一律に物事を唱え始める態度なのかもしれないとも思った。正月のセール。お酒。神社にお参り。明けましておめでとうございます。今年もいい一年で。という言葉と行動が。「はい。感覚を空けて行きましょう。」そうみえた。

 乗り間違えた列車を北広島あたりで調整。乗車。急いでいる。空港に着き。なぜか最寄りの書店に売っていた岩井勇気の『どうやら僕の日常生活はまちがっている』を購入してしまう。そそくさと搭乗手続きを終える。終えた後に荷物。預けなきゃダメなやつだと思い返し。手続きしている人に相談し、荷物を預ける手続きをしてもらう。「電話しますので。少々お待ちください。」待つこと数分。客室乗務員らしき人が現れて。「ついてきてください。」と告げられた。急いでその人について行くも。足が早くてついていけない。息を切らしてついた。必死で手続きしてもらうのに感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました!」というも無言で必死に作業していたため迷惑だったためか何事もないかのように「はい。できました。」とかえされた。渡邊さんという人だった。

 搭乗手続きを改めて行い。飛行機を待つ。待てども待てども飛行機は来ない。きたかと思えば飛べない。除雪が難航しているようだ。そして今。10時55分の飛行機を2時間待っている。次々と決行していく飛行機たち。そして僕の飛行機だけが飛ぶ予定となっている。曇り空から空は次第に青くなっている。雲間からの部分的な青色が目の保養になっている。

 フローリングの地べたに座り、ビールを飲み出す黒い服をきた男たちも現れ始めた。これは。行き場のない僕たちという意味なのだろうか。スマホの電池はギリギリとなり、充電コードを家に忘れた僕は呆然とただパソコンを打っている。

 向かいの家族を物語消費している。母親が娘とぬいぐるみでキャッチボールをしており、たまにふわふわの人形が僕に当たる。母親が毎回取りにきては、「ごめんなさい。」といってくる「元気ですね。」とだけ話した。父親はどうやら「ラーメンを食べたい。いま食べないと食えなくなる。」といってどっかいった。そのときに母親が「でた。」と返した反応が母親にどこかにてた。「でたよー。」でもなく「でた。」という返しが慣れた関係性を表しているみたいにみえた。

 ひたすら何事もないように待っていることが今年の抱負なのかもしれない。今日はどんな初夢をみるのだろう。