鏡があると、すぐに髪の毛をいじってしまう。
どうやら父親はよく、会議のときに髪の毛をいじり、考え事が整ったときにからまった髪の毛を整えていたとよく、父親と仕事を一緒にしていた母親が僕が髪の毛をいじると話していた。
この前、会社で髪の毛をいじったら怒られたけれど。父親はたまたま「怒られない人」だったのかもしれない。
高校の先輩。男子。アイプチなんてワックスと変わんないっしょ。
そんなことつぶやいている。
男性用トイレに行けば、男子たちが鏡の前で髪の毛にべたべたワックスをつけては髪の毛を盛る風なスタイルにしている。
あれ、授業。そろそろかー。やば。
あ、いまちょっ。まってて。セーターに学ラン姿の彼がいう。
大体、その彼の彼女がスカート短いからって、彼もシャツをズボンからだらっとしながらパンツがみえないていどにだらっとラフになっている。そんな恰好。だぼっとしている服装は男性用なのだろうか。「男子」というカテゴライズ化のもとにそのまますくっと彼はたっている。
鏡をみるとそれを思い返したりする。
当時、そういったワックスをつける人たちを戯画で描いた。風俗。ふうぞく。だろう。
「とさか」をつける漫画風の絵を水彩でいくつか描き、放課後、全寮制であったため、部屋に展示して展覧会と称し、勝手に開いた。期間はたった一日。毎週入れ替え制。何か描いては描いたものを展示。と称して並べた。
勉強机に二段ベッド。そこら中に置いてみた。
同級生が何人かきて、また、変なのやってらー。と言われたりした。
そういいつつも、彼らは何枚かもらっていいのか僕に聞いてはもらって部屋に絵を飾っていた。それが何故か面白かった。
いまでも、腕輪をはめたり、リングをつけたり。だぼっとした服きたり。それなりに男子ファッションが顕在化している。それもどっかで描けないかなとか思ったりしている。男ではなく、男子、としてのアイコンだったりするのだろうか。中性的なものなのだろうか。判然としない。
マイルドヤンキーという言葉も小耳にはさむが、どうやら友達や仲間といった横のつながりを意識しつつも、やんちゃやっている勢がいるらしい。
このまえ、ラッパー、ZORNのライブに行ったとき、となりの男子ふたりのうちひとりが指輪をつけていた。そしたらその人が、つかれた、といって外していた。相方が。あれ、何で外してんの。といって、聞かれた彼は、ふぁっ!しょん!!と唱えていた。
僕はあれ、外せるのか。と思っていた。外せないのかとも思っていた。疲れながらもつけているのか。つけて。何を示したいのか。なんだ。なんなんだあの腕時計みたいな指輪は。と疑問になっていた。
そうなりつつも、ZORNのライブ。横浜アリーナだったためか、オジロザウルスがのりこんできた。コロナが流行り、マスクでみんな聞いている。けれどもオジロザウルスがマスクを取って。おまえらー!信じるぞー!みたいなこといっていた。僕もおう!となっていた。