この前、埼玉県立近代美術館に行った人と文化村のミロ展に行った。
スペインのアーティスト、ジョアン・ミロはピカソと同じ頃に活躍している。心理学に接近した20世紀の美術運動、シュルレアリスムとの関係で度々語られる作家でもある。今回は日本との関係について紐解く展示構成となっており、もちろん美術評論家、瀧口修造との交流もみえるコーナーがある。
僕にとってのミロの原体験は当時、軽井沢にあった酒造会社、メルシャンのコレクションが展示される美術館で行われた企画展、「ジョアン・ミロ展 〜翔び立つ鳥のように」だった。検索したところ2005年の展示で小学生のときに見たのかとハッとさせられる。そのときは賑やかな絵を描く人だなと思っていたけれど、今回みたときにはくすんだモノクロの表現がよく見ると様々な配色がされているのが分かった。一緒にみた人はミロは黒を上手く使う作家だと思っていて。と話しており、その人は版画の研究をしているためか知らなかった所とかを色々教えてくれた。
黒色といえばあまりいいイメージが思い浮かばない。とやかく言われるSDGsもレインボーの配色となっており「黒」はその対極ではないだろうか。使い方によっては暴力的な表現となってしまう配色をミロは軽やかな線とトーンの異なる配色で変換してしまう。この変換作業がミロなのではないのかと思っていた。
一緒にみた人はしきりにミロの絵をみてそこに記された星の様な記号をメモしている。これ、何度も出てくるよね、と言っている。あまり気付かなかったけれどもよくみると何点も星の様な記号が描かれている。そして、同じ記号が何度も登場するものがあり、その人はその記号をメモしていた。
途中、日本との関わりで美術評論家、東野芳明が送ったとされる書道の本が展示されている。その本に登場する記号がミロの絵と一致しそうな部分もある様な気がする。この気がする。が連続する展示だった様な気もさせる。
そう、はじめの展示でその人とも話していたがこの絵が浮世絵との影響を感じさせますというキャプションがあり、これ、無理矢理なんじゃないか、という話を展示をみながら立ち話をしていた。すると監視員からマスク越しでおしゃべりは控えてくださーい。と言われた。