20220318

朝。渋谷駅。井の頭線改札前。

 ぎゃうぉん!
 犬の鳴き声なのか発狂している声の様な音が耳を貫く。
 男が男の警察官のジャケットの服の袖をつかみ、指を向こう側にさしている。
 向こう側を僕はみた。
 眉間にシワを寄せ、怒っているのか、近寄るなと威嚇している動物の本能が顔面に溢れ出ている。そんな気がする。
 僕はついつい、あれ、犬の鳴き声?あー、男。男も鳴くのか。
 そういって後ずさり。そして、道すがら、朝の動物園を通過したかの気持ちになった。

 会社につくと、新しく大手から転職してきた人がいる。
 DXの推進をしようとしているも、現場が人手不足なあまり、郵便物の送り方の説明しかしてくれないことに戸惑っている。
 僕は仕事をしながらDXってボタンひとつで世界が変わるとかそう思っている人たちの集合知なんじゃないかって妄想してしまった。
 ボタンひとつで世界が変わるという発想は、漫画、ドラえもんに登場する道具、どくさいスイッチを思い出す。
 のび太ジャイアンスネ夫にいじめられ続け、あのふたりが消えれば世界も変わると思い立ち、ドラえもんに相談するというストーリー。そして、ドラえもんがそのボタンをのび太に渡し、色んな人を消していき、最終的に暇になり、鬱っぽくなるという展開だった記憶がある。國分功一郎の暇を作るために仕事をするという所をのび太は人を消して人から遠ざかる事で再確認するという内容が様々な人的コストとDXとの関わりを考えさせられる。
 結局、されどDX。人的コストはどこまでも削れないのだろうか。アダム・スミス国富論をもう一度、読もう。

 昼にFBで知り合いがシェアした脳科学者、中野信子のラジオをきく。
 テーマはサイコパス
 脳科学的にも感動したり、他者に対する創造力の欠如がある人が人の不幸を顧みずに自分だけの利益を追求してしまう人らしい。サイコパスは連続殺人犯のイメージがある。けれどもそれ以外にも仕事がとてもでき、異性にも魅力を発揮する、できる人がそういった属性を兼ね備えているという話らしい。元カノもそういえば一緒に色んな映画をみたけれども、どれも感動して涙を流す事はなく、自分の利益が損失したときに、友人に泣きながら電話をかけていたのを思い出した。
 といいつつも、僕もバーでマスターから、お前は人の気持がわからない、とか、院生の頃、教授に、他人の創造力を学ぶべきだ、といった言葉を頂いた。
 「サイコパス」なのかもしれない。けれども、利益追求できる頭のいい振りはできないから違うのかもしれない。とモヤモヤしていた。