20220417

 朝に洗濯物と靴を洗って干して、それからコーヒー豆を買い、近くの喫茶店でカフェラテを頼んで、グロイスの全体主義スターリンを読む。ついさっきまで、サンジャポでロシアがプロパガンダ作戦を行っていたという話をしており、それを聞いた後で読んだためか、元々この国はPR産業で成り立っているのではないのかと思う。

 それから、腐れ縁が千鳥烏山にいて、そこから来るという虫の知らせを聞いて、笹塚で落ち合い、サウナに向かった。彼が入浴している表情はなんとなく、安らいでいた。少し、周りの男性と肉がついていて、なんか、以前の引き締まった身体とは違い、ぼてっとしていた肉付きがつい最近始めたサウナーの若い男子と違って、たるみのある、肉付き。これは20代後半にさしかかってから、ジム通いを初め、少しずつ「女性」依存へと向かっていく身体になるのではないのかといった危惧があった。

 お世話したい女性もいる、されたい、したい、そういった身体のドームを駆け巡っている様子が彼の身体の弛みから感じられた。もっと鍛えなさい。そうとも言えない。けれども若い男子は身体に筋が入り、くびれがあり、瞳が潤んでいて、そこから感じられる感覚と、僕らアラサーの消耗品となんか違った。結局、身体が消費されていくし、その弱さもいったら負けだけれども確実に男も古ぼけたガソリンスタンドみたいな、古ぼけたラーメン屋の油みたいになっていくという悲壮感が彼の身体の変化にあった。

 それはさておき、サウナの下にある食べ物屋でドキュメンタリーをみて、夫婦でやっている漫才師がこれでもまだ現役なのに元気をもらい、そこからつぼ八で飲んで、彼は忘れらんねぇよ、じゃん、と言いつつも地下に降る。

 店主が開店前にも関わらず、口で手を抑えながら対応。

 座敷で飲む。温泉旅行みたいな気分。ついさっきまで、都心の景色を眺めていた。男同士の会話でついつい、誰と交わっていたのか聞いたりした。向こうがどうやらめちゃくちゃにしてほしいと言って、それから関係持ったらしい、子供がいる様だけれど、大丈夫なのか聞いたところ、まあ、なんとかなんじゃん、みたいなこと言ってた。それから僕は彼に、つい、玄関から出た時、お前のこと考えてさ、お前、訴えられるんじゃないのかと、それしか考えてなかったんだよ、と話した。そしたら、まだ同棲してるけど避妊中だし、結婚もしてないし、子供もいないし、と話している。

 俺はお前、安倍晋三みたいじゃん、終わってるよ、みたいな話を滔々としてしまう。それに対して無言な表情で聞いていた。けれども彼は、セックスしている彼女が幸せそうな感覚がしてさ、それなら、僕は訴えられてもなんでもいいんだよ、と話していた。その後の言葉が何も浮かばず、ただ、彼の表情に合わせた何かつまみを徒然と食べていた。

 結局、ABCのCの字も出ず、ただ彼の話を聞いて出て、そこから杉玉に行って、骨のスナックを食べながら酒を交わした。その後、彼が眠くなったと言って解散。

 家に帰って冷蔵庫にあるワインを一杯飲んで、そこからまた銭湯。

 おじさんや若旦那がいい表情で風呂に使っている。ちんこがだらっとしている。サウナでもちんこが長い人だったり、だらっとしていたり、ここで勃起しているんだとか、あ、ちょっと小さいけれど可愛いと思ったりしている自分もいて、これは別の感覚なのかと思ったりしているけれど、僕は僕で身体的に女性である人に興奮したりする。

 これは、何なんだろう。

 けれども、彼がセックスしていてその人の表情が、なんだか不倫とか関係なく気持ちよさそうなんだよ、何人ものセフレに対してそう思っている。それが、僕との境界を逸脱しているけれども、彼は彼でもしかしたら輝いている、なんだろう、それは倫理的に言えばアウト。だけれども彼は何を考えてそこまで関わっているのだろう。

 僕は悶々としながら口を閉ざしたまま、銭湯でだらっとしながらくつろいでいる男子を見て彼のセックスがどれだけ楽しめていたのか、独りよがりだったのか、僕が僕でセックスを楽しめていないのか考えた。

 そう、僕は元カノとセックスしたときも、あなたは楽しめていない、いつもと変わらない表情と言われた。どうなのだろう、それが率直な応答なのか分からないまま独りよがりにセックスをしていたのかな。言語化すればするほど分からなくなるな。

 それから、ラインで友達と電話したら不幸になる、と言われる。そうだ、僕はこんなに会話してはいけないのではないのか、けれどもそれは男性同士にとっての逆ホモソな会話なのではないのか、そう思っている不幸を身体に重ねながら、常に僕も黙生活し続けるしかないのか。

 つい最近、男性は出世ばかり考えていて、それしかない不条理がある、という記事を読んだ。なんでこんな話せないんだろう。話したとしてもそれについて、優しすぎると教授は跳ね返してしまうんだろう、なんか言ってるよね、お疲れ様となるんだろうと思った。

 そして、ラインを開いたら今日飲んだ彼が、今日はありがとな、おつかれさん、と返し、僕は謝ったけれど、いやいや、それは別にな、と返した。別、別、別、別、ベーツ、という割り切り///////////////////

 結果的に、ドンキでカルアの原液とミルクを買って、家で混ぜて飲んでいる。