20220510

 ニコラ・ブリオーのラディカントを少しずつ読んでいる。ブリオーはウォーホルを引用し、毛沢東も誰もがコーラを飲む世界、誰もがテレビに出る時代、それを望んでいた、そしていまがそれ、と言っている。

 巷で、原宿のギャラリーが行ったパフォーマンスに女性が赤い紐で縛られている、とニュースになっている。フェミニストと称される人々が怒っている。

 コンセプチュアル・アートの夢はどこに置いてきたのか分からなくなっている気がしなくもない。共有財産は増えたが、何が問いなのかはっきりしない。

 よく、みんな違ってみんないい、と金子みすずの詩が学校教育の道徳で使われたが、そういった感覚がする。けれども、差別や格差といった現実から目を背ける便宜としても働くし、親が余計なこと考えるなと宥める言葉にも聞こえる。