20220618

 曇りの土曜日。午前10時辺りまで寝て起きてをした。途中、朝風呂に浸かろうと熱湯を浴槽に入れる。生ぬるい温度と風のない空気が辺りを包み込んでいた。けれども熱湯ではない温度のお湯に浸かった感覚はどことなく朝の時間を内包していた。

 気づけば洗顔とシャンプー、ボディソープがそれぞれ僅かな量となっている。それをおいておきながらも、お風呂に浸かりながら時間の経過を感じさせないまま、睡りにつこうともしないで身体が水の中で沈んでいた。沈みつつも重い身体を外に放り出している。

 今日は岸田に勧められた病院に行くのかと思い、その前の時間に不在通知票を持って郵便局に行ったり、近くの不二家でメロンソーダとコーヒーを飲んでいた。新しい組み合わせが新鮮に思えた。
 クリニックの前に自転車を停め、アンケートに答え診察を受けた。一応、通院しないと友人が関係を切ると話しておりまして、それならと思い来ましたと話した。迷惑な患者。
 一回目はアンケートを元にヒヤリングをしているためか、あまり時間もかからない。待っている間に診察室に泣きながら訪れる人や中学生の子供を持った母親が「なにもしたくない。」といいながらぼーっと立って待っている人がいたりした。
 二回目はより具体的に聞く内容となっていた。顔の距離が近い。一応、元カノに通報されて、そこから通報の話を友人にすると驚かれてしまったりするんですよね、と話した。そしたら医師は少し時間をとって、外を眺めながら何を言おうかためらいつつも、「それは女性の私からしても通報した人が少し、変わっていると思うわ」と話していた。思えば、何をいっても誰もがそのエピソードに対してそう返されてしまう。逆に僕は「変わっている人」という自覚も持てないまま、どう向き合っていた人と向き合い方を変えていけばいいのか、後処理のできない残飯みたいなものとして残し続けなければならないのか、と思って続きの話を聞いていた。
 不安になることや寝付きが悪いことはありますか、と聞かれるのに対して、別れた後は金縛りにあったり、眠れなかったり、何もできなかったりしたのですが、いまは少しずつ回復の目処を感じます、と話をした。
 医師曰く、人には個々、抱えている秘密があるので、それを尊重しながらやっていくしかない。イマジナリーフレンドみたいなものもあるのだけれど、そうでもない仕方で付き合ったりした方がいいですよ、と助言をもらった。これといって特に問題はなかったみたいだ。
 岸田に「特に問題はなかったよ。」と伝えたら「それはそれでE」と返ってきた。薬が効いているみたいだ。
 
 その後、下北沢で歯医者の治療が終わった後のみなみしま君に会った。麻酔が効いていながらも彼はバナナジュースを飲んでいた。