20221023

 家に帰ると4回目摂取券がポストに投函されていたため、都庁の展望台で当日受け入れの注射をする。都庁の建造物にも展望台がある事をよく知らなかったため、その眺めに建造物の「衰えなさ」を体感させられながらも、パイプ椅子で図書館から借りてきた学部時代の教授による文献を拝読する。「職場の同僚から、ロバート・モリスが書いた論稿『アンチ・フォーム』(1968年)のコピーを入手したことであった。それを読んで何か急に得心したように書き出していった結果がこの一冊になった。」とあとがきに書いてあり、「得心してから文章は書き始めるものなのか」と思ってしまう。取り憑かれた感覚ではないけえれども、その治癒みたいな側面もあるのだろうか。

 注射をしてから、リー・ウーファンの展覧会をみに行く。後半の作品が絵の具にラメみたいな素材が入っていたり、初期から眩しい平面作品を作っていた事に気付かされた。たまたま、知り合いの作家が子供を連れて森美術館に行く予定が、子供が元気すぎてたどり着けないらしく、あやしに行った。落ち葉をテレビ局前の公園で子供と一緒に探したりしていた。

 その後、鈴木大拙の展示をみに行った。柳宗悦との関係もみえて、興味深い展示になっていた。知り合いが「民藝」に寄稿していたため、最新号を買おうと物販コーナーに訪れるも、「販売していない、民藝館では売っております。」と話される。ここから民藝館は厳しいものがあると思い、道すがらのドトールでこの日記を書くことにした。