20221127

 ひとりで大岡山の珈琲館で本を読んでいた。中嶋泉さんの本で、草間彌生がどう海外で評価されたのかについて書かれている。海外に渡航した作家は東洋的な美意識を追求する方向に向かっていたらしい。その評価のされ方とフォーマルな批評のされ方の違いみたいなものについて書かれている。主題と形式の違いみたいなものは、創作においてどこに主眼を置くのかで変化するという問題な気もした。それと、批評、受容のされ方によって形成される作品への視線が変容する点については今後も考えたいと思った。

 草間彌生アメリカのシュルレアリストから影響されていた話は、全く知らない作家で少し驚いた。美術史の編纂の方法によって別の視点が紡がれるのは、新鮮でもあるし、別の交通網を新たに作る批評とはどこか異なる。