20230211

 車中、ユリイカエゴン・シーレ特集に所収された信田さよ子による『「未完の家族」と摂食障害』を読んでいた。臨床心理士である著者が出版される書籍の表紙に度々、エゴン・シーレの絵を選んだ経緯が書かれている。冒頭、摂食障害について書かれており、障害を持った人がカロリーで食事を選び、購入しているのを初めて知る。コンビニで販売されている食品がカロリー表示されている所など、カロリー表示について思い当たる点がいくつかあった。あと、カーペンターズのボーカルが減量で死亡したり、諭吉佳作/menの「たべられる□/たべられない?」など、曲と摂食障害との接点はあるにせよ、美術作品との接点はあまり語られたり、考えたりした事がなかった気がした。そして、DVについても書かれており、シーレの描いた絵に「家族」というタイトルの作品があり、後から付けられたタイトルである事を知る。シーレは様々な女性と交流があり、この描かれた人物も家族であるのか不確かである。DVが法律として制定され、それ以降、DVという存在も愛情表現となっていたものが別枠となった、と書かれており、「家族」とシーレについて考えさせられた。