20230318

 この日記を始める前に別の媒体で日記を書いていた記憶がある。媒体といってもTumblrに書いており、写真やイラストなども載せたりしつつ、知り合いと交換してこの前の日記よかったよ、という会話から広がる話もあった。それがたしか2018年とかそのくらいの年で、それを文字に起こしてZINにする取り組みとかもした。そのときは手書きの文字をスキャンして起こし、レイアウトをして、知り合いに頼んで写真を載せたりした。

 展覧会をふたつみにいった。ひとつは地下にあるギャラリーでもうひとつはデパートの5階にある所で開かれたやつ。ひとつめの展示はこのギャラリーが閉じてしまうためか暗がりの中で作家本人が歩き回っていた。ギターを弾いたり、壁に備え付けたドラムペダルを天井に垂らされた縄を手にぶら下がり、足で踏んで壁の音を鳴らしたりしている。暗がりの中に充満する音とその空気があった。

 もうひとつ目に移動する間にサイゼリヤに入る。隣の女性が250mlの白ワインを何回か頼んで、スマホを眺めている。外は雨が降っており、ひとりでサイゼリヤにいながらお酒を嗜みつつ小説を読んだりしてみたいと思う。移動する間に距離があり、そのサイゼリヤから乗り換えを2回ほどして、展示室のあるデパートに着く。そう、合田佐和子という人の展示だった。

 合田の作品は、天井桟敷などの演劇のポスターイラストも有名であり、今回はその全貌が丁寧に紹介されていた。初期の作品は主に人形や捨てられたゴミを集めて別の形に変形させたものが展示されている。当時暮らしていた家には人形が何体か置かれ、少し気味の悪い印象を周囲の人から持たれていたという。展示の最後に流れていた娘によるインタビューでは、男性が家に押しかけて合田を倒してしまうエピソードを話していた。警察に届け出をだしたものの、こんな不気味な家だったらしょうがないだろう、とあしらわれたという。1度目の離婚の後に暮らした家となっており、その後、彫刻家の三木富雄と再婚し、1年で離婚をするも以後交流関係が続き、三木がカウンシルを通して渡米するときに同行する。そのとき、たまたま落ちていた写真を油絵に描く所からペインティングの仕事が始まったという。その前は三次元のものを二次元にすることに躊躇していたという。写真という三次元のものを二次元にする技術から平面に取りかかる部分は知らなかった。それまでポスターの印象が強かったため、その前後で作風が全く異なっており、その変遷が気になった。