20230506
下西風澄の『生成と消滅の精神史』を読み終えた。誕生日のときにたまたま蔦屋書店でサイン付きの本を購入した本だった。西洋編と日本編に分かれており、一気に読み終えそうな文体でありつつも、壮大な哲学史を網羅している。大海に船を漕ぐ感覚というか、そういった内容であったためか、途中から読めなくなってしまう。筆者の下西さんの修論がヴァレラの章に使われており、AIと心理との関係性について書かれた内容は興味深かった。日本編で書かれた夏目漱石、バタイユ、江藤淳の狂人(ごめんなさい)の並びにはゾッとさせられながらも、筆者の文体故か、とても整理されていた。
後日、躓いていたドライブ・マイカーの原作を読み終えた。多分、下西さんが村上春樹と夏目漱石との関係について、漱石のメソッドがあったために、春樹が心理について書けたという整理をしており、それを読んだからだ。友人がドライブ・マイカーを女性と見終えたときに、あまりいい話にならなかったというのも思い出している。そんな本をこの前、たまたま誘われた飲み会の席で自己紹介のとき、車の会社の受付をやっている女性に「村上春樹とか読みますよ、女のいない男たちとか」と言いそうになるも、言わないでおいた。