20220410
大学院の頃、後輩だった人とANB Tokyoのクマ財団の展示と映画、二トラムをみた。ANBで展示されていた公文書改ざんを手伝い、自殺してしまった赤池さんとパートナーとのやり取りの演劇が気になった。事件がメディアでピックアップする事で事件のスターとなり、赤池さんの家族の関係が消えてしまう。その消えた部分を捉え返す演劇でもあった。
二トラムは先週から僕が頭を悩ませていた映画である。見ていないだけに気になり、ミロ展を一緒に見た友達を誘った。よって3人でみた。二トラムはオーストラリアの観光地で起こった連続殺人事件の当事者を当事者の目線で描いた映画だ。これもANBでの展示と重なる点として、メディアで取り上げられた事件を別の角度から捉え返す視点というのがある。結局、その視点自体も作者の作為、パフォーマティヴな要素として消費されてしまう部分もあるが、常に作品は偶像的な要素を抱えている。そのため、その部分は作品を作る過程において、作者も抱えているのだろう。
二トラムもANBでの展示もどれも同じ問題を扱っているものの、一方は映像美、もう一方はミニマルなスタイルの演出なのが気になった。