20221223

 家に帰って、クロちゃんの「モンスターラブ」を見ていた。安田大サーカスは小学生の頃に流行ったお笑い芸人といった印象で、当時のお笑いには波田陽区やヒロシといった斜め上をいった角度の芸風があった。漫画に於いては「絶体絶命でんじゃらすじーさん」がそれに当たるかもしれない。そうしたピン芸人の芸風を集めて、サーカスとして披露したのがこの芸人たちだと捉えていた。そのためか、ピンでも成立するキャラの濃さを演じる事ができるのかもしれない。

 何故か、ダウンタウンのクロちゃんのドラマ?は毎回みている。どれもゼロ年代松江哲明など、フェイクドキュメンタリーを撮りたい監督が恋愛リアリティーショーを演出している雰囲気がどこかしこにあったりしていた。それはドキュメンタルの演出などの松本人志が関わっており、実際に行なっているかはさておき、その場にいる事を通した演出家としてみている。

 今回のはバチェラーとテラスハウスが一緒になった演出になっており、クロちゃんと共同生活をする女性からクロちゃんが彼女候補をみつけ、少しずつ落としていき、最終的に残った3人がアイドルデビューをするというものとなっていた。ちなみに、アイドルデビューをする話は最後まで明かされていなかった。

 クロちゃんにはアイドルをやっている人とは彼女として付き合えないというポリシーがあり、最終的にクロちゃんは告白をし、彼女ができるのだが、その彼女はアイドルを脱退する。ここからすれば、3人の内のひとりという点からもリア王なのだが、クロちゃんのポップなイメージによって悲劇と喜劇がないまぜとなっているのがバラエティ番組としての何かがあった。

 フジモンが「気持ちが悪い」と話しているみちょぱに「それは、ルッキズムですよ!」とコメントを加え、それにみちょぱが「人間性の問題」と反応をする所がとにかく空虚なコミュニケーションの中に男性学、女性学的な眼差しが差し込まれている。そう、エンタメが持ちうる先天性な空虚さを逆手として表現していた。