20211230

 喫茶店めぐりと寿司を食べ、高校の頃の先輩に会ってきた。先輩は福祉施設で働いている。働くための資格を大学で学び、それから施設で働き始めた。高校の頃、僕が代表となり卒業生を送る会の装飾を担当していたとき、先輩は同学年でただ一人手伝ってくれた。その頃の話も聞いた。先輩はひとつ上の世代だけれど、その世代の人たちはなぜか優秀で企画や段取りなどの華やかな担当と異なり、僕ひとりだけ装飾担当と仲間はずれのようなことをさせられていたという。

 僕ははじめて知った。知らなかったことに少し驚いた。トイレで引きこもったりしていたという。なるほどと思った。案外、いじめがまかり通る校風だった気がするという話で盛り上がる。だから僕がそういう空気だとか無意識に発生する同調圧力みたいなものを気にしてしまうんだなと思ったりした。

 「高校のクラスの体育祭のとき、お前、エグザイルとか踊ってたよな。」

 「エグザイルが流れているけれど。僕のはよさこいだよね。」

 「踊り教えていたやつ。何やってんの?」

 そんな会話をしてふと、その人のことを思い出した。その人は先輩と同い年で寮生活を送っていた僕と先輩。同じ寮だった。インスタで最近アカウントをみつけて。投稿のなかに、室内でエグザイルを流しながらストリートダンスをしている。身体の関節と関節の間に何か別の時間が流れているような踊りにみえた。けれども音楽がエグザイルであるためかキャリーオンだった。

 先輩とは数年ぶりだった。札幌のミアボッカで食べる。コロナ禍をのぞいて毎年、北海道に来ている僕からすればビール博物館も観光地として馴染んでいるなと思ったりしている。外に出て大通りを歩く。先輩がテレビ塔とか登ったことある?とか聞いて、小学校の頃からの幼馴染が内地で看護師やっていて、なぜかその人と高校の頃に登った話などした。スカイツリーは登っていないのに札幌テレビ塔は登ってるんだなと先輩が話していた。その人とも昨日、連絡を取ったところ、今日の夜勤が仕事納めかなと返信があったばかりだった。応援します!とぐんまちゃんのスタンプを送った。

 歩いた先に12時までやっているジャズ喫茶に向かった。店外に人が溢れており、混んでる?と聞いたらメニューみてまってる。と言われてまた外に出る。外でハーゲンダッツとか食べるかと提案してコンビニでハーゲンダッツ買って食べた。「観光客やってる」と思った瞬間だった。