20220216

 ことばの学校。批評家の矢野さんの話を聞く。

 普段は学校の教員をしており、教員と副業としてライターをしている。ジャニーズについての本も書いている。西加奈子『円卓』を読んで感想を言い合うという会だった。その手前に外部と内部の話をして頂いた。矢野さんは早稲田の文学部で教員免許を取り、大学院まで進学したとき、ディスカッションの授業でこのままこの人たちと専門の言葉を使いながらやり取りし続ける研究職になるのに疑問を感じ、教員となったという人。らしい。
 僕も大学院まで行ったものの、同じ言語を使って、作品の解析をしていく事にあまり興味を持てなかった。そういうこともあり、矢野さんの前口上はとても楽しく聞けた。内部と外部の話も教育学部の様に聞こえた(イヴァン・イリイチパウロフレイレ辺り?)。それは、美術の話でいえば、ダントーのアートワールドみたいなもので、矢野さんは、僕なりにアートワールドに例えるとすると、その内外を行き来できるのが批評であり、文章だとも話していた。
 感想を言い合うとき、矢野さんが本文の重要な所を指摘するタイミングで「ここ!」と指をさして話す身振りが教員っぽく思えた。教育学部の授業でも子供に目線を与えなければならない。そうでなければ話を聞いてくれないというのがあり、その身振りが授業の仕方が上手い先生の様に思えた。