20221227

 列車に乗って、ウポポイまで行ってきた。博物館がある白老の駅の前では木材屋が木を運搬している。この木はどこに行くのか少し気になっていた。たしか、中高の向かいの山の土をトラックで土砂を埋め立てるために運んでいたり、杉の栽培が行われていたからで、そういうのも関心の元になっているのかもしれない。 施設について、資料館の部屋で資料をみる。1973年に行われた「全国アイヌを語る会」の議長を砂澤ビッキがやっていたり、「伝統文化を活かし、広げる」のコーナーで藤戸竹喜の熊の彫刻があったりした。絵画よりも彫刻に向かうのは何故だろう。そして、見過ごしているだけで身近に存在する伝統文化としてのアイヌは、継承されるものなのか、実は消費空間の元で、表象的な認識に限定した思考を膨らませているだけではないのか、と考えてしまう。 特に和人との接触によって行われた差別的な海の交易禁止であったり、学校空間でのいじめなどが印象に残る。最近になって博物館の館長をしている父親が機関紙でアイヌの人をいじめていた話を書いたらしい、そういうのもあってか、現実味をもってみていた。 それでも、博物館からみえる湖は氷が張っていて、澄み切っている。そして、とても寒い。外に出て、民家の中でアイヌの話を聞いたり、演奏をみたりしていた。そこから少し散歩をして、肉屋でハンバーグと赤ワインを食事して、寝ながら列車でホテルまで帰る。