20211022

ありもので何かこさえればいいのに朝から早起きしてしまい、コンビニでパンを買って、ありあわせのベーコンとたまごを焼いて、それらと一緒に頬張る。オレンジピールのジャムをつけて立て続けに頬張る。
寒い上に雨が降り、倍の寒さを誇っていた。誇らしげに寒さを語る人がいたら幸せ者なのではないのかと思う。湿気で気持ちが落ち込むタイプであるためかオレンジをとにかく投入していった。
電車の中で読んだ研究者、伊藤亜紗の『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』を読む。ヴァレリーは「伝達」に代わる作者と読者のあるべき関係を「生産者」-「作品」-「消費者」の三項からなる図式で説明しており、ここで何故、市場経済の用語を用いているのか説明しているくだりを読んだ。どうやら、ヴァレリーは「生産者」と「消費者」を結びつけつつ、両者の間に割り込んでそれぞれを別のシステムとして成立させるら媒介を示したという。これが後の構造主義の流れのなかで提唱される「テクスト」概念を彷彿とさせるという。そこで伊藤はエーコの『開かれた作品』を引き、詩学との接点をもたらし、朗読の重要性について指摘している。ヴァレリーが提示した「消費」は朗読という行為ではないのかと。
自分が書いたものについて読んで録音し、もう一度聞いたときにどんな印象を抱え、別の事柄を考えたりするのか興味を持った。
そして、立て続けにミスをしてしまった。すべてを湿気のせいにしてみたい。