20220306

 最近知り合った人と埼玉県立近代美術館に行ってきた。

 この美術館。何度か行った事がある。コアな展覧会をしており、且つ、どれも集客できているのか分からない。けれども、公立の美術館で一定の展示面積があり、常設展と企画展をそれぞれ見れる美術館はあまりない。公園の中にあるため、家族連れでも来やすい。ただ、託児所があればもう少し様々な客層がつくのではないのかと頭を抱えてしまう。
 企画展で展示されたこの美術館の眼玉の作品は80年代のバブルを感じさせてしまう。印象派、もの派など、オールドテイスト。企画展で展示されていた中で唯一、トモトシは近年の作家であった。
 では何故、ここまでテイストが古いのかと考えたときに、「近代」とつく美術館だからというのもあるのでは。日本において、神奈川県立近代美術館東京国立近代美術館など、「近代」という言葉がついた美術館は幾つかある。昨年には滋賀県立近代美術館が「滋賀県立美術館」と名前を変えた様に、この言葉は特殊なものである様だ。
 この疑問は「現代」という文字がつく美術館にも当てはまる。現代美術館に展示された90年代、或いは80年代の作品群。これらが常設展にインストールされている場合、果たして「現代」なのだろうか。ちなみに、東京都現代美術館のコレクションは東京都美術館の一部コレクションからきており、第二次世界大戦終戦後(戦後)を区切りに収集活動を行っている。
 では、「私たち」がみている。それが現代。という枠組みなのだろうかと。では近代美術館の「近代」はどうなのかと問いたい所だ。