20230614

 可動壁を動かした。それがある展示室で最後の展示をした作家の展示を撤収したりしていた。可動壁を移動するために何人かの人が押して動かしている様子を見て、ミニマル・アートの作家とかは、ホワイトキューブの空間で展示をしすぎた結果、撤収そのものを作品にするとかないのだろうかと思った。ブルース・ナウマンが展示の壁と壁の間にブラウン管を置いたり、ヴィト・アコンチが床の下でパフォーマンスをしたりするのは、作家のそんな意識を考えてしまう。撤収後から展示が始まる方法を練っていたりしたらどうなんだろう。

 本当は最後の展示になる予定だった作家が母校の彫刻学科の教授をしていた。その人が話した芸祭での話を、なんとなく思い出したりしていた。黒髭と白髭がファイン系の教授でいたらしく、白髭は学生に自由なスペースを設け、黒髭は団体作家を呼んで展示させたらしい。白鬚の名前を聞いたら、私の出身学科で保存を中心に教えていた教授だった。