20220308

 ゴルフで思い出した友人がいた。


 そういえば、彼はたまたま僕が休日、電車に乗っていたときにゴルフバッグを立てながら端っこの方でひたすら寝ていた。
 小学生の頃、ロシアに行って、そこからよく知らなくなっていた。けれども最近になってSNSでみつけ、東京に戻り、大学進学後、大手広告代理店に就職。それからGAFAMに転職していたのを知った。
 いまは実家近くにいるらしく、よく目にするけれども、覚えてないだろうなと思って一方的に僕が知っている。
 電車に乗っていた彼は、片方の肩を下に向け、首を前にたらしながらいびきをかかないで寝ていた。接待だったのかなと僕は思っていた。ゴルフバッグには何本もクラブがささっている。

 インスタグラムを開けば、高校の頃の先輩や後輩がスイングしたりしている。学部の頃に夏の間だけ働いていた業界新聞のアルバイトで取材に行くとき、ひとつ上の先輩に夏季休暇なにするんですかと聞いたら、休みの日はゴルフしかしてない。といっていた。それを聞いてなんでか分からないけれどおじさんっぽいなと思っていた。
 けれども、最近になってから打ちっぱなしの所に行ってみたいなとか少し思ったりしている。知り合いの作家と家付近の稲田堤でぶらぶらしていたとき、自転車を駐車していた所のそばに打ちっぱなしの場があり、夜にも関わらず球場のナイターみたいに煌々とライトが芝生を照らしていた。
 作家は、おれも、スイングしたいな。といっていた。
 歌舞伎町の打ちっぱなしは学部の頃によく、腐れ縁と飲みの間に訪れてキーンと打っていた。けれども床からのキーンはまだなく、スイングという言葉が新鮮に聞こえた。

 そんな夏だった気がする。
 冬みたいな天気に書きたくなった。夏のこと。